日日是漢直

漢字直接入力に関するブログです

漢直学習の進捗を可視化する

この記事は 漢直 Advent Calendar 2015 の5日目の記事です。*1

 

 漢直の、まだ覚えていないストロークを新しく覚えていく方法には以下の2種類があると考えています。

  1. ストローク表の特定の部分ごとに覚える
  2. 文章を写経して、その中の漢字で覚えていないものを覚える 

私は、1の「ストローク表の特定の部分ごとに覚える」方法を実行する際にOpenOffice表計算シートを利用して管理をしています。

最新版ではないのですが、Dropboxに置いてあります。ご覧ください。 

www.dropbox.com

 

ファイル内のそれぞれのカラムについてざっくり説明します

  • Rl中 : これは、右→左の2ストローク(終打が中段)の75文字のうち、何文字を記憶しているかを表しています。他のカラムも同様です
  • 2文字数 : 2ストロークで打てる文字のうち、今覚えている文字数です
  • 3文字数 : 3ストロークで打てる文字のうち、今覚えている文字数です
  • 被覆率 :  ここ ( http://www.geocities.jp/ken1noguchi/TUT-CODE/hiragana/what.htm ) のデータをもとに、今記憶している文字数で、日常の文字のうちどの程度を変換なしで打つことができるかを計算しています
  • 要整備 : 20%忘れてしまって復習が必要なカラムの数を表しています。これを0に保つことがひとつの目標になります。ちなみに、練習が必要なカラムの数字は赤くなります

忘却を考慮して、覚えている文字数は1日ごとに減少させます。具体的には、カラムごとにある定数t ( < 1 ) を1日ごとに乗算しています。このtの値は、復習時・練習時に「つじつまが合うように」計算して設定します。*2

 

また、覚えている文字数と被覆率の変化をグラフとして表示するシートを用意しました。

 

この表計算シートには以下のようなメリットがあると考えています。

  • 覚えている文字数の可視化により、計画を立てやすくなる
  • グラフによる可視化によるモチベーション向上
  • 適切なタイミングで復習できるようになる

 

可視化することは多くのメリットをもたらします。私の方法と同じでなくてもよいので、みなさまも情報を数字で管理し、可視化して役立てていきましょう。

 

疑問点などございましたら、 twitter @ripples_user にお知らせください。補足説明を追加いたします。

*1:1年半ぶりのログインだったのでパスワード忘れてすごく焦った

*2:ここをマクロにして自動化したい

漢直2周年記念

こんにちは。

本日、5/31は私が漢直を始めた日なので、記念に記事書きます。漢直始めたこの日までにTUT-Codeを一周することを目標にして漢直の新規学習を続けてきて、先日ようやく一周が完了しました。とにかく一周することを目標にしていたので、暗記の度合いは二の次でした。この記事には、新しいことの紹介などは特にありません。ただの振り返りです。

 

TUT-Codeを始めた理由

去年の今ごろにT-Codeを一周したのですが、その時の感想は「打てる文字が少ない」ということでした。一時期新聞のコラムを写経して漢直練習していたのですが、よく出現する文字も合成か変換しないと出ないので非常にストレスがたまりました。特に、都道府県名に外字があるのが残念でした。不満を持ちつつもやもやしていて、しばらく経ったある日、T-Codeを離れることに決めました。

 

なぜTUT-Code?

普段使っているMac漢直入力する方法である、MacUIMにデフォルトで対応していたから。

 

TUT-Codeを一周するのに役立ったもの

何といっても、P-Study System(PSS)です。これで漢直用の問題集を作って、段ごとに練習しました。打鍵表だけ見ていても、漢直はなかなか覚えられないものです。問題形式で覚えると、なんとなく覚えたつもりになるということは無くなるはずです。

 

今やっていること

OpenOfficeでどの段を何文字覚えているかを記録するようにして、TUT-Codeの二周目を練習しています。これについては、別の日にブログで紹介するかもしれません。TUT-CodeにはT-Codeのような不満は感じていないので、別のコードをまた新しく学ぶということはなさそうです。

 

「難しさ」はどこから来るのか(漢直 Advent Calendar 2013 13日目)

はじめに

「○日目」の表記が、記事が書かれた日にちと通算記事数で揺れていますね。混乱を招きにくい数字のほうがいいと思うので、記事が書かれた日にちで表すことにします。(同じ日に複数の人が書かない限り一意、かつ番号を数える手間がかからない)

 

前回は初投稿だったのでデアル体で文章を書きましたが、デスマス体のほうがしっくりくるので今後こちらに統一します。 

また、ブログ名を「sak_kanchokuの日記」(デフォルト) から「日日是漢直」に変更しました。

 

「難しさ」はどこから来るのか

さて、今回の記事は「『難しさ』はどこから来るのか」です。

前回書いた「漢直はこわくない。」では、TUT-Codeという入力方法を導入する方法などについて紹介しました。

 

漢直は実態以上に難しく評価されがちです。今回は、ささやかながらその原因を推測します。自分が知っているTUT-Code (およびT-Code)のみに話を限定しますが、おそらく他の漢直でも同じことが言えると思います。

 

 漢直を学習するステップ

TUT-Codeを学習する方法は、次のとおりです。

1. 覚えようとする文字を決める

2. くり返し打って覚える

 

この2ステップのみです。「一」であろうと、「頚」であろうと、この2ステップを経ることで修得することができます。この過程に、「漢字そのものの難しさ」は関係ありません。小学生が習う漢字であっても、漢検1級に出てくるような難しい漢字であっても、やることは変わりません。そう、個々の漢字のストロークを覚えることは簡単なのです。

 

では何故漢直は難しいと思われてしまっているのか

推測ですが、これは漢直を初めて聞いた人が「アサインされている文字を全てをマスターして使いこなしている姿」を想像してしまうことが原因ではないでしょうか。*1漢字を直接打つことでさえ大きな衝撃なのに、さらにその文字数が数千文字単位と聞いてしまったら、やる前に諦めてしまうのは無理もないと思います。

 

漢直はこわくない。」で説明したとおり、漢直はカナの入力に加えて、漢字「も」打つことができる、オマケ機能つきの配列と思ってもらったほうが、QWERTYなどの配列と見比べたときのギャップが少なくて良いと思うのです。

 

アサインされている文字が多いから難しい?

ギャップや印象を抜きにしても、QWERTYなどの配列に比べてアサインされている文字が多いから難しいという意見があるかもしれませんが、これは違います。

 

勘違いしてはいけないのは、この「アサインされている文字」というのは「必ず覚えなければいけないストローク」のことではない、ということです。TUT-Codeをかな漢字変換を併用しながら使うには最低限ひらがなを覚えればよいので左手10キー、右手6キーの計16キーです。これは、QWERTYを使うために必ず覚えなければいけないキーの数よりも少ないです

 

全文字覚えるのは「難しい」?

わずかな時間で全文字を覚えるのは困難だと思います。しかし、わずかな時間で覚える必要が、どこにあるのでしょうか?

 

1日5文字覚えると決めて、時間をきっちり取って練習すれば半年かからずに2ストロークで打てる725文字覚えることができます。これは、日常の85.9%の漢字をカバーしています。*2

 

1日5文字のペースを継続すれば、さらに1800文字覚えるまでには1年で済みます。スポーツや音楽、タイピングやゲームなどいろいろな分野を考えてみて、1年で確実にスペシャリストになることができる分野はほとんど無いと思います。漢直はその数少ない分野の1つです。必要なのは計画性と習慣して継続する能力だけです。暗記力はいりません。

 

そう考えてみると、漢直の敵はかな漢字変換ではなく怠惰の心なのかな、という気がしてきました。

 

 

*1:これは、もしかしたら漢直を紹介する人がそのような理想的な姿を引き合いに出しているからかもしれません

*2:http://www.geocities.jp/ken1noguchi/TUT-CODE/hiragana/what.htm

漢直はこわくない。(漢直 Advent Calendar 2013 3日目)

副題:「最初に触れるべき漢直はTUT-Codeである」

 

想定読者

・「なにこれww 漢直 Advent Calendarって何ぞww」といって興味本位で見てくれた方

漢直を始めたいけど、どのコードを学べばいいんだろう?と迷っている方

(・漢直 Advent Calendar に参加している方々)

 

はじめに

漢直というと、「無理」とか「こわい」とか「変態」とかいう印象が持たれているのが実情だが、実際はこわくない。こわくない。*1 この記事では、漢直がこわくないことをアピールすることに焦点を当てる。n番煎じになるがご容赦いただきたい。なお、漢直そのものの特長(部首合成や交ぜ書き変換など)については触れない。

 

この記事では、漢直の種類のうち、TUT-Codeを紹介する。私はT-Codeを最初に学び、現在はTUT-Codeに乗り換えて練習しているが、T-CodeよりもTUT-Codeのほうが入門に適していると思うからである。(T-Codeなど、TUT-Code以外の漢直を否定するわけではない。)

 

(TUT-Codeが)こわくない3つの理由

1. 始めるのが簡単

  a. Windowsの方

     漢直Winをダウンロードし、設定を「TUT-Code」に変える。

  b. Macの方

     Mac UIMをインストールする。

  c. Ubuntuの方

     sudo apt-get install uim uim-tcode

     インストール後は「システム設定」で使うインプットメソッドを変更する。多少手間がかかるが、Ubuntuを使うような人なら問題ないはず。

 

 

いずれのOSでも、短い時間で始めることができる。

 

2. ひらがな・カタカナ・数字が簡単

T-Codeと違って、TUT-Codeのひらがなには規則性がある。よって、覚えやすいし、忘れにくい。  (母音が右手側、子音が左手側)

カタカナはモードを切り換えればひらがなと同じストロークで打てるし、数字はローマ字入力と同じように、最上段をそのまま打てばいい。簡単である。(T-Codeはカタカナ・数字が不規則にアサインされている)

ひらがなは、漢字とは別にひらがなだけで練習するのがいいと思う。私はDvorakJで配列を変えて、タイプウェルJKを使って練習している。

 

3. かな漢字変換との併用が可能

一般に認識されていないのがこの事柄だ。TUT-Codeはかな漢字変換との併用が可能なように設計されているため、ひらがなだけ覚えれば最低限の日常の入力は可能である。

まずはひらがなの配列に慣れて、かな漢字変換を用いて日常の入力をしつつ、ちょっとずつ漢字を練習して直接打てる漢字を増やしていく、ということができるのだ 。

たしかに、慣れ親しんだ配列よりもタイピングのスピードは遅くなるとは思う。しかし、TUT-Codeを導入すれば今までのかな漢字変換に加え、漢字を直接入力できるようになって変換の手間が減るのだ。これは大きなメリットではないだろうか。

 

ひらがなを覚えた後は

こつこつ反復練習

漢直の練習は、反復練習が命である。私は漢直の練習のためにP-Study System (PSS) を利用している。

P-Study System忘却曲線の理論に基づいて忘れたころのちょうどいいタイミングで問題が出題されるため、ストロークの記憶の維持にもってこいである。

P-Study System漢直用問題集*2は、私が作成したものがあるので、もし欲しい方がいればtwitterにリプライを。

 

まとめ

 いかがだっただろうか。漢直は漢字が直接打てることを前面に出して紹介するから「こわい」などと言われがちだが、その実態はちょっと変わったひらがなの配列 (むしろ、QWERTYの配列よりも規則的な配列) に加えて、漢字が直接打てるオマケ要素が追加されただけのものである。*3

 オマケをどの程度追求するかは人それぞれ。私は最終的には2525文字全て覚えたいが、よく出てくる同音異義語を覚えるだけでも、もちろん良い。「歌詞」-「菓子」や「感じ」-「漢字」など、わずか数文字だけがんばって覚えて、それ以上は覚えなくてもいい。

 

とにかく、食わず嫌いをせずに漢直というものを触ってみてほしい。

 

*1:私が漢直に関して変態なのは認める。褒め言葉である。

*2:TUT-Code用に加えて、T-Code用もある

*3:こんな言い方すると漢直やっている人に怒られそうだ