「難しさ」はどこから来るのか(漢直 Advent Calendar 2013 13日目)
はじめに
「○日目」の表記が、記事が書かれた日にちと通算記事数で揺れていますね。混乱を招きにくい数字のほうがいいと思うので、記事が書かれた日にちで表すことにします。(同じ日に複数の人が書かない限り一意、かつ番号を数える手間がかからない)
前回は初投稿だったのでデアル体で文章を書きましたが、デスマス体のほうがしっくりくるので今後こちらに統一します。
また、ブログ名を「sak_kanchokuの日記」(デフォルト) から「日日是漢直」に変更しました。
「難しさ」はどこから来るのか
さて、今回の記事は「『難しさ』はどこから来るのか」です。
前回書いた「漢直はこわくない。」では、TUT-Codeという入力方法を導入する方法などについて紹介しました。
漢直は実態以上に難しく評価されがちです。今回は、ささやかながらその原因を推測します。自分が知っているTUT-Code (およびT-Code)のみに話を限定しますが、おそらく他の漢直でも同じことが言えると思います。
漢直を学習するステップ
TUT-Codeを学習する方法は、次のとおりです。
1. 覚えようとする文字を決める
2. くり返し打って覚える
この2ステップのみです。「一」であろうと、「頚」であろうと、この2ステップを経ることで修得することができます。この過程に、「漢字そのものの難しさ」は関係ありません。小学生が習う漢字であっても、漢検1級に出てくるような難しい漢字であっても、やることは変わりません。そう、個々の漢字のストロークを覚えることは簡単なのです。
では何故漢直は難しいと思われてしまっているのか
推測ですが、これは漢直を初めて聞いた人が「アサインされている文字を全てをマスターして使いこなしている姿」を想像してしまうことが原因ではないでしょうか。*1漢字を直接打つことでさえ大きな衝撃なのに、さらにその文字数が数千文字単位と聞いてしまったら、やる前に諦めてしまうのは無理もないと思います。
「漢直はこわくない。」で説明したとおり、漢直はカナの入力に加えて、漢字「も」打つことができる、オマケ機能つきの配列と思ってもらったほうが、QWERTYなどの配列と見比べたときのギャップが少なくて良いと思うのです。
アサインされている文字が多いから難しい?
ギャップや印象を抜きにしても、QWERTYなどの配列に比べてアサインされている文字が多いから難しいという意見があるかもしれませんが、これは違います。
勘違いしてはいけないのは、この「アサインされている文字」というのは「必ず覚えなければいけないストローク」のことではない、ということです。TUT-Codeをかな漢字変換を併用しながら使うには最低限ひらがなを覚えればよいので左手10キー、右手6キーの計16キーです。これは、QWERTYを使うために必ず覚えなければいけないキーの数よりも少ないです
全文字覚えるのは「難しい」?
わずかな時間で全文字を覚えるのは困難だと思います。しかし、わずかな時間で覚える必要が、どこにあるのでしょうか?
1日5文字覚えると決めて、時間をきっちり取って練習すれば半年かからずに2ストロークで打てる725文字覚えることができます。これは、日常の85.9%の漢字をカバーしています。*2
1日5文字のペースを継続すれば、さらに1800文字覚えるまでには1年で済みます。スポーツや音楽、タイピングやゲームなどいろいろな分野を考えてみて、1年で確実にスペシャリストになることができる分野はほとんど無いと思います。漢直はその数少ない分野の1つです。必要なのは計画性と習慣して継続する能力だけです。暗記力はいりません。
そう考えてみると、漢直の敵はかな漢字変換ではなく怠惰の心なのかな、という気がしてきました。